阿川尚之(慶應義塾大学名誉教
オルテガが警告した「大衆の反逆」は日本では起こらないのか、それともすでに始まっているのか? 名無し 04/17 4281889
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阿川尚之(慶應義塾大学名誉教授、著述家)

<甘やかされた大衆とそれに媚びる政府のなれあいが垣間見える...。「優しい大衆」が生み出す危険について。『アステイオン』99号より「「大衆の反逆」、「無害な大衆」」を転載>

オルテガ・イ・ガセットの『大衆の反逆』は、筆者が強い影響を受けた本の一つである。甚大な損害を被り人々が立ち上がれないほど打ちのめされた第一次世界大戦後のヨーロッパでは、『チップス先生さようなら』や『昨日の世界』(ツヴァイクの自伝)などが描写したように、社会が根底から変わってしまった。その結果生じた重大な危機が、本書の主題である。

この大きな社会的変化を、オルテガは一連の象徴的な光景の描写で示す。

「都市は人で」、「家々は借家人で」、「ホテルは泊まり客で、汽車は乗客で」満ちている。「有名な医者の待合室」や夏の「海浜」も同じだ。

いつの時代にも人は大勢いたが、以前はこうした場所に足を踏み入れず、分散してひっそり生きていた。その彼らが群れをなして「突如として姿を現し、社会の最良の場所を占めた」。大衆の登場である。

無題 名無し 04/17 4281890
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オルテガはその理由を人々の平等化に求める。19世紀にヨーロッパ人は飛躍的に豊かになり、社会の平均化が進んだ。さらに大戦後、少数者(エリート)と多数者(マス)の間の垣根がほぼ消滅し、人々は旧来の秩序やしきたりを意識せずに活動するようになった。

公的なことがらに責任を持って対処してきたそれまでの貴族的な少数者とは異なり、努力せずに得た豊かさを当然のものと捉える大衆は、「おのれが凡俗であることを知りながら、凡俗であることの権利を敢然と主張し、いたるところでそれを貫徹しようとする」。

共産主義やファシズムを筆頭に、「ヨーロッパに初めて理由を示して相手を説得することも、自分の主張を正当化することも望まず、ただ自分の意見を断固として強制しようとする人間のタイプが現れた」。

これこそが「大衆の反逆」であり、「民族や文化が遭遇しうる最大の危機」であるとのオルテガの予言は、ヒトラーやスターリンの全体主義体制実現によって不幸にも的中した。

この本を読み返して、オルテガの主張はアレクシ・ド・トクヴィルの考え方に通じると感じた。

https://www.newsweekjapan.jp/asteion/2...
無題 名無し 04/17 4281891
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欧米はなんだかんだと言っても階級社会の貴族文化が正統だとされてきたところだからな。
日本は戦国時代に貴族文化が徹底的に破壊されて、
(破壊されたというよりは、下々に拡散したのかもしれない)
大衆文化一本にほぼ統一されたからな。
(かといって貴族文化は根絶やしにされたわけじゃないけどww)

欧米的な意味での大衆の反逆はおきようがないというか、秀吉の天下統一の時点ですでに起きていると言った方が正しい。
ただ日本的な意味での大衆の反逆はまさに現在進行中だろうな。ネット以前はマスゴミはまさに王者であったが、
ネットが普及してから、マスゴミはネットの愚民に翻弄されている。マスゴミは認めないかもしれないが、小泉の靖国参拝の時にマスゴミとネットの力関係が変わった。
今はテレビを見ない人が多数派になっている。
その意味でマスゴミとネットのパワーシフトが進行中だ。

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